人々に恐れられる最高クラスの死霊術士「黄泉の王」フランケル。アンデッドコレクターとして慎ましく活動していたつもりだったが、世間からの評価は悪党そのもの。ついに英雄カインと聖女フローラに追い詰められた彼は、禁呪【不死王転生】による再起を図った。しかし術式は成功したものの、転生先はなんと宿敵二人の子供としてであり、その上、禁呪の効果なのか予想外の結果をもたらしてしまって……。

可憐な女の子として転生してしまったフランケルは、聖女フローラの娘・ユリィシアとして成長していくことに。潜在的な魔力量は生前よりも大きいようなので、くじけることなく、再び死霊術士として返り咲くことを目標に密かな訓練を始めた。再び強大な「不死の軍団」をコレクションするためにも努力していたが、聖女である母親の影響なのか、強い聖属性をその身に宿していたようで……。

自分の魔力が聖属性であることにもめげず、死霊術士として返り咲くための研鑽を続けるユリィシア（フランケル）。魔力量も順調に成長したある日、両親と街に出ると、そこでは傷ついた剣闘士奴隷が貴族に虐げられていた。それ自体にはなんの興味も無かったが、その剣闘士がＳＳ級アンデッドの素体であることに気付いたことで、アンデッドコレクターとしての熱意が蘇り、奇跡ともいえる治癒魔法を行ってしまい……。

聖女である母フローラでさえ驚く奇跡を行使したことで、ユリィシアの存在に周囲が気付き始めてしまった。しかし、死霊術士の天敵である聖女には絶対になりたくないユリィシア。フローラや、ざわつく聖母教会相手に、なんとか能力を誤魔化しつつも、魔力量のアップを目指した訓練は続けたいと思っていると……。

偶然発見した次元門に飛び込んだユリィシア。その行き先は、冒険者達が集うダンジョンだった。正体を隠し、怪我人達を問答無用で治癒することで、聖属性魔法の研究と鍛錬を行うことにしたユリィシアは、ある新人冒険者パーティと出会い……。

辻ヒール活動による順調な魔力成長に満足していたユリィシアだが、母フローラへの王宮からの呼び出しで、王都へと生活の場を移すことに。フローラを呼んだのは、国王の側妃のひとりであるアンナメアリだった。フローラとは幼馴染だというが、原因不明の病を煩っているらしい。スキル「鑑定眼」で、その理由に気付いたユリィシアは……。

王妃たちが住まう後宮で出会った謎の少年。すばらしいアンデッド適性の高さから興味を抱き、彼に接触するユリィシアだったが、少年は謎の病気に苦しめられていた。なぜか治療術も効かず、アンナメアリを救ったユリィシアの力をもってしても治癒しない。その原因は思わぬもので……。

謎の病であった王子シーモアの治癒を行うため、死霊術士としてのひらめきを得たユリィシアは、新たなギフトに目覚めることに。しかしその結果が、王都を脅かす者たちを目覚めさせ、ついに念願であったアンデッドの群れと対峙することに！

謎のアンデッド大量発生を受け、英雄である両親たちが留守となった隙に墓地へと走りだすユリィシア。夢にまで見たアンデッドたちとの再会かと思いきや、その神聖属性の強さ故に触れ合うことは叶わず、苦渋の活躍で事態を収めてしまった。しかし事件の裏には、王宮での一件にもからむ、ある上級アンデッドが…。

街を襲ったヴァンパイアの真祖ネビュロス。その配下のアンデッド、バックベアードに興味津々だったユリィシアだが、弟アレクの覚醒や、自身の死霊術士としての目覚めによって、泣く泣く手放すことに。しかし、その代償として得た待望のネクロマンシー復活のなか、黒ユリとなって久々の力を試してゆくと…。