DV男に心を弄ばれたストレスで爆食いし、醜く太ってしまった「痩せ女」礼子。かさむ食費で懐が苦しくなり、恥を忍んで社会福祉士の「整形女」洋子に金策するが、身内に借りてと断られてしまう。仕方なく母に電話をする礼子だったが、電話を持つ手が震え、汗が噴き出す。母は、礼子の人格形成にかかわるトラウマを作った相手だった。過剰な期待。期待に応えられなかった自分。そして失望。トラウマが甦った礼子は、精神的圧迫から逃れるため、つい母に虚言をはいてしまう。「私、結婚するのよ。素敵な相手と、素敵な式場で…」 ──。今度こそ母に