『グループ・ゼロ』の作品一覧
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政岡としや
- それは日本と日本人にとって最も暑い夏だった。そして、列島の空陸海のすべてを、暴力が支配していた――昭和二十年。千葉憲兵隊木更津分隊。大迫大尉に呼び出された男、日向軍曹。大尉の命令は、捕虜収容所から二名の捕虜を「取り調べ」のために連行する、というものだった。が、日向軍曹にはその本当の意味がわかっていた。ここでは米...
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谷間夢路
- 何十年も生きたオス猫が化けるといわれている、妖怪・猫又。アンの家の飼い猫だった五郎丸がその妖怪・猫又になってしまった。可愛がってくれたママに横恋慕した猫又・五郎丸はアンの家族に呪いをかけて、ママを鈴に、パパをリュックに変えてしまった。アンは呪いを解くために猫又・五郎丸を探す旅に出る!アンの行く手に待ち受ける怪奇...
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湯浅ひとし/湯舟敏朗
- オリンピック開幕の年、スポーツメーカーアポロ繊維の陸上部監督が突然の自殺!後任の監督に抜擢されたのは、元陸上選手でありながら、陸上を憎む男、アポロ広報課主任の神藤邦彦だった。長年にわたりオリンピック代表選手を輩出できず、さらに監督の自殺でイメージダウンした陸上部をアポロ上層部は廃部にしようと考えているのだが…。...
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大島やすいち
- ケンカっ早いが友情に厚い問題児・早稲田明治は地元中学に入学を断られ、他学区の問題児を受け入れる一番中学へ入学する。一番中学では他学区生を見下す風潮があり、そのため他学生である明治は野球部できなかった。一方、第一野球部エース緒形は自分が活躍したいために元キャプテン速川にケガを負わせ、さらに自分の取り巻き以外のメン...
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将貴和寿
- 体中に刺青。派手なナリのイイ女。これが俺の母親、幹多枝子31歳。俺は幹兼蔵16歳高2。俺の母ちゃんは15の時に俺を産んだ。父親は知らない。母ちゃんはずっと、女手一つで俺を育ててくれた。だから俺は、まだ学生の母ちゃんを孕ませて捨てた俺の父親と同じ事したくなくて、彼女に手が出せないでいる。大事だから、母ちゃんと同じ...
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影丸譲也
- 19XX年、東京――。警視庁に「特務刑事」と呼ばれる指揮系統の異なる部署があることを知る者は少ない。物騒な世相を嘆く人々を乗せた満員電車で、我が物顔で無法を繰り返すチンピラを返り討ちにする一人の男。彼こそが五代豪刑事である! この騒動で一週間の謹慎処分を受けてしまう五代だが、その裏では……? 腐りきった世の中に...
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一峰大二/福本和也
- 大洋ホエールズの三原監督の元へ夜中に駆けつけたスカウトマン。彼は読売巨人軍が極秘にしていた秘密兵器を発見したことを伝えに来たのだ。その秘密兵器とは…なんと少年の投手だった! 彼の投球を撮影したフィルムを見た三原監督は天を仰ぐ。この玉を打てる打者はいるのか…? 早速その秘密兵器は翌日の後楽園球場で姿を表した。名を...
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井上コオ
- プロ球界を追放されたオーナーが密かに育てていたブラックナインがいよいよ世間に存在を知らしめる時がきた。打倒大リーグを誓う小学生の闘志は大ジャンプボールを武器に手はじめにリトルリーグ界に殴りこむ。初戦は大勝利。だが、それを見たマイコンズのオーナーはブラックナインに挑戦状をつきつける。それはコンピューターを使い相手...
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南波健二/梶原一騎
- これは…殴られ! 蹴られる! 男の物語――野球、相撲、ボクシング、プロレスにつぐ、第五のプロスポーツ、キックボクシングに、若い血潮と情熱をたたきつけて…殴られても蹴られても雄々しく立ち上がり続ける、不屈の魂の記録である! 昭和43年9月。キックボクシング東洋ミドル級チャンピオン沢村忠は遠く母国をはなれたタイのル...
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影丸譲也
- 昭和四十五年六月、東京。国会議事堂の前は大群衆が押し寄せ、大量の機動隊、警察官と対峙していた。安保闘争である。このとき日本は、またあの凄惨な戦争に加担するか否か、国家の命運の歴史的な岐路に立っている、とされていたのだ。そこに、一人の男が、日本刀を手にして現れ、群衆と機動隊の間に割って入ってきた! 「俺は安保のこ...
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湯浅ひとし/えとう乱星
- 関ヶ原の戦いから50年…徳川幕府による支配体制がほぼ確立され、島原の乱以降は戦もなく平和が続いていたが、その一方、幕府による大名のお取り潰しはいまだ続き、巷には主や所領を失った行き場のない浪人たちがあふれていた…。旗本の次男坊・五家宝多聞(ごかほう たもん)は、中・下層の幕臣の子弟による傾き者(かぶきもの)集団...
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笠太郎
- 「喧嘩に育ち喧嘩に情熱をたぎらせ喧嘩に気概を抱く、そんな喧嘩馬鹿がいた――」港進高校3年、芥一兵(あくた いっぺい)は12才にして暴力団の事務所に殴り込みをかけた町でも評判の無法者。生意気な転校生・佐倉鉄とその助っ人たちを一人で打ちのめし、鉄を子分にしたまでは良かったが、その鉄に「アソビ(喧嘩)」を教えるといっ...
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御茶漬海苔
- ホラー界の残酷王・御茶漬海苔が描く単行本未発表の愛と欲望の恐怖の惨劇! 愛子の見つけた不気味な祠…。だが、その扉を開けたものにはたたりが…。『惨劇館~愛子~』。新しい中学に入学したチハルには何人かの友達が出来た。だが、その友達には何か秘密が…!!?『惨劇館~友達~』など2編収録!
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谷間夢路
- 交通事故で切断してしまった少女の右手。緊急手術でうまく接合したのだが…実は恐ろしい手違いがあった!順調に回復してきたと思った私の右手、こんなにゴツかったかしら…?しかもすこし毛深いような?そんなある日私が寝ている間に…!?(収録作品「私の右手はだあれ?」より)私の田舎は旧家で、もう300年も続いているそうです。...
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矢野健太郎
- お隣に引っ越してきた女の子、早瀬涼美(はやせすずみ)は俺・湯沢篤(ゆざわあつし)と同様、異性にまるで興味がない様子で、転校早々からちょっと浮いた存在に。そんな俺たちを誤解してはやしたてるクラスの奴ら……。そんな時、涼美と決めたのは……そう、試しに二人で恋愛してみよう! 思春期ならではのくすぐったくほろ苦い感覚、...
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岩清水うきゃ
- オレ、大黒柑太(オオグロカンタ)。引っ越してきたばかりのこの町で、世界がひっくり返ってしまうような相手と出逢ってしまう――散歩の途中で逃げ出した愛犬ポメを止めてくれたのは、絶世の美少女! 詩音(シオン)と名乗る彼女に見惚れてしまったオレだが、転んだ拍子にな、なんとキスをばいたしてしまったのだ! 夢ごこちなまま帰...
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中村咲紀
- 日常を無感動に過ごしていた宏(ひろし)だったが、街で見かけた同級生の堀内(ほりうち)の、学校で見せるイメージとは違う意外な一面に興味を引かれ、ついじっと見つめてしまう。堀内にはガンをとばしたと取られ、それ以来、事あるごとにケンカ三昧の二人だったが、互いの環境の違いを知るうち、もっと相手を理解したくなり……? 率...
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松森正/大友克洋/辻真先
- 原作に大友克洋・辻真先を迎えた、松森正の貴重な未単行本化傑作短編が電子書籍で登場! ふとしたきっかけから恐ろしい事件に巻き込まれるカップルの恐怖を、とことんスタイリッシュかつ疾走感満点に描いた表題作(原作・大友克洋)。そして戦国の風雲児時代の織田信長を、超美麗な筆致で魅せる「信長」前後編(原作・辻真先)を収録。...
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ほんまりう
- 奥田屋酒店の息子・敏夫はある日、町の貸本屋を訪れた。劇画本だけ借りるつもりだったが、見栄で三島由紀夫の小説「美しい星」も借りた。その事を憧れの美少女転校生・高遠美沙子に知られたのをきっかけに、敏夫と美沙子は話をするようになる。二人の事は学校や町で噂になったが、当の敏夫の心にはためらいや恐れがあって…。──海辺の...
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しもさか保
- 進学率ナンバーワンの地蔵堂学園に七年間留年し、八年目に突入した三人の名物生徒がいた。地蔵堂学園応援団団長・西条大鉄、剣道部主将・山崎平九郎、学園総番長・原田力の三人、通称・ガクラン八年組が織りなす痛快熱血硬派学園浪漫コミック!関東一の高校応援団を決める関東高校応援団祭。より熱意が入る四年連続制覇がかかった地蔵堂...
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影丸譲也/梶原一騎/メルヴィル
- 19世紀後半、アメリカの捕鯨船団が世界の海洋に進出していた時代。イシュメル少年は見も知らぬ港町で船をおろされ途方に暮れていた。なんとか古ぼけた安宿を探し、そこで「人食い人種」のクイークェグという男に出会う。聞けば彼も乗り込む船を探していることが分かり、イシュメルとクイークェグは一緒に適当な船を探しに出かける。そ...
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かざま鋭二/梶原一騎
- 紅洋台高校――神奈川きってのラグビー部の名門校――の入学式。同じ中学から紅洋台のラグビー部入部のために進学してきた北小路弘と千石旭は、同じ夢を追いかけている同士であったが、入学早々「今年のラグビー部では、レギュラーの座があと一つしか空いていない」ことを知り、衝撃を受ける。ただ友人としてではなく、これからはライバ...
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川崎三枝子/藤本義一
- 加納康子、28歳。その妖艶な裸体を晒し巨大なベッドに寝そべりながら、彼女は考えていた。「うちは男の生気を吸い取ってんかもしれへんな……」大阪でホステスをしている康子は、その肉体を武器に何人もの男を惑わせ、溺れさせてきた。しかし本当に愛した男はヤクザの抗争で殺された。彼のことを忘れられないまま金づるのオヤジに抱か...
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しもさか保
- 急カーブが延々と続く奥多摩湖周辺には、腕に自信のライダーたちが自慢のモンスターマシンにまたがって繰り出してくる。そんなライダーたちを見つけては、マシンを賭けた街道(ストリート)レースを挑む少年が居た。全戦全勝の奥多摩の主、幻の50ccライダーと恐れられたこの少年こそ、型破りの天才ライダー・神風誠である。ある日、...
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ほんまりう/古山寛
- 明治25年9月、帝国主義はまだ誇り高い言葉として使われてる帝都ロンドンにひとりの日本人青年・熊やん(南方熊楠)が降り立った。その風貌はスラムの住人たちよりもさらにひどく周りから蔑まされていたが、革命騒ぎで別れたキューバ島以来の親友八っつあん(岡本八之助)と会い、自分の穢い部屋に呼び飲み明かす。熊やんの研究は多種...
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出井州忍
- 戸沢白雲斎の死後、免許皆伝の巻物を携えて上田城主・真田幸村の元へ向かう猿飛(チビデブ)と霧隠(♀)。しかし幸村はひどいド変態で男色だった――! 下ネタ、パロディ、何でもござれ! 前代未聞、ハチャメチャ解釈の真田十勇士お色気ギャグ、開幕です!
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政岡としや/滝沢解
- 神戸が異様な緊張に包まれていた。警察、政治家、そしてヤクザまでが手を組み、外国人を片っ端から捕まえては甲子園球場に集める……一体これはどういう事態なのか?! それは情報…確かな筋からの情報があったからだった。「外国人マフィアが今日、神戸に紛れ込む」と。一度地下に潜られたら、見つけ出すのは困難。それならば、との水...
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松森正/関川夏央
- ドイツ第三帝国崩壊前夜に北極点の氷の下を潜航して日本へ向かった2隻のUボートが、アリューション海域に沈んでいるという。その船内には、戦後史の影で神話のように語り継がれてきた第三帝国の隠し財産、ヒットラーの遺産「M資金」が積載されていた…(「南アラスカ海流」)。しがないピアノ調律師の男に付きまとう殺し屋たち…男は...
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三浦みつる
- 宝条ミカ、職業はフレグランス・デザイナー――調香師。化粧品や食品メーカーなどから依頼を受け香料の調合を研究したり、個人向けの香水(パーソナル・フレグランス)を創香したり、さまざまなエッセンシャル・オイル(植物精油)を用いて心と体を癒す、アロマテラピー(芳香療法)を施したりするのが主な仕事。しかし、その鋭敏すぎる...
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ほんまりう/関川夏央
- コヨーテが笑ったような顔、と言われる男、不動院民夫。彼は個人で事務所を開いているしがない探偵だ。今日も一人、ウラ若い女が彼を訪ねてきた…どうせいつもの離婚調停だろう? と思いきや、女はいきなり武器を持っているか? と彼に尋ねた。ある男と会ってほしい、その男は彼女の夫を殺した「殺し屋」だ、と。これはよくある依頼と...